朝起きれない、眠れない、昼夜逆転

光療法推進委員会

朝起きれない、眠れない、昼夜逆転

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「朝起きれない、眠れない、昼夜逆転している。」 これは、睡眠障害や不眠の方が頻繁に口にする言葉で、現代社会ではひじょうに多く聞かれるようになりました。また、冬季うつ病の方が「朝起きれない」という言葉で症状を訴える場合もあります。

実際には、夜も遅くまで寝られないか、睡眠が浅い、あるいは十分でなく、その結果、「眠れない、朝起きれない、昼夜逆転している。」という言い方になっている場合がほとんどです。24時間社会が進行して、皆さんだんだんと夜型の生活になっているのです。

「朝起きれない、眠れない、昼夜逆転」という言葉の中身を、実際にもう少し詳しく見てみると、様々な状況が浮かび上がります。原因をひとまとめにすることは出来ないほど多くの要因があります。おそらく、他にもまだまだ様々な状況があるとは思いますが、一つわかっていることは、このような状況が現代社会では多様化して進行していて、「眠れない。朝起きれない」という言葉がいたるところで多く語られるようになって来ていることです。

  • 生活習慣の夜型化
    • 携帯電話で友達と話し込んでしまう。
    • ゲームを遅くまでやってしまう。
    • 結果的に夜型の生活となってしまって元に戻せない。

  • 仕事・学習の激化
    • 仕事のストレス、人間関係による悩みや、多残業による疲れ過ぎで眠れない。
    • 夜勤、交代勤務で不規則な生活をしている。
    • 働く女性の中で、家庭と仕事の両立をするのが大変な方。
    •        

    • 塾通いが始まって、夜遅くまで勉強するようになった子供。
  • 疾患によるもの
    • うつ病で寝入ることができず、夜中には何度も目が覚め、浅い眠りが続き、その結果、朝起きれない。
  • その他の要因
    • 冬場の寒さで、特に朝起きれない、または、起きにくい。
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    • 日当たりの悪い暗い部屋で長く生活していると、昼と夜のメリハリが無くなってくるので、朝起きれない状況が徐々に進行してくる。

眠れない、朝起きれない、昼夜逆転」となる背景

夜遅くまでゲームや携帯電話
夜遅くまでゲームや携帯電話をやってしまい、眠れず朝起きれなくなる。
働き過ぎ、人間関係、ストレスが心身に蓄積
働き過ぎ、人間関係、ストレスが心身に蓄積して、眠れず朝起きれなくなる。
夜勤、交代制勤務で生体リズムが狂う
夜勤、交代制勤務で生体リズムが狂い、眠れず朝起きれなくなる。

このような「眠れない、朝起きれない、昼夜逆転」という症状は、われわれの持っている「生体リズム」が上手く機能しなくなったことを表していることは確かで、それを根本的に解決して元に戻さない限り、その症状は改善しません。

上記の症状の中で、疾患やいくつかの症状を除いて、ほとんどが概日リズム睡眠障害と呼ばれるもので、睡眠の位相が後にずれている場合が多く見られます。この症状に対しては、光療法はとても有効で、改善例はいくつもあります。但し、皆さん症状が重かったり、あるいは長期化している方が多いので、高照度照明を使って積極的に光療法を行う場合がほとんどです。

しかしながら、根本的には、生活習慣や考え方の見直しなしには、薬や光療法だけで直すには無理があるのは事実です。たとえば、毎日夜遅くまで働いて帰宅が夜の12時を過ぎて消耗しきっている方が、朝6時に起きて光療法を行なおうとしても、それは単に心身に負担をかけているだけとなってしまい逆効果です。「眠れない、朝起きれない」という状態から脱却するためには、やはりもっと早く帰宅して身体を休ませることが必要となります。

また、深夜まで携帯電話やゲームをやっている子供や学生についても、光療法を行おうとしても、同様に無理があり、上手くいくはずがありません

つまり、自分にとっての「価値観」、つまり何が大切かが問われているわけです。健康か、仕事か、遊びか、勉強か...等々です。そして、最終的に、生活習慣を見直す事なしには、どんな治療法も効果を発揮することはできないことは確かです。

昼夜逆転

昼夜逆転

「昼夜逆転」… 概日リズム睡眠障害の極端なケースですね。
24時間社会、夜型生活となって、睡眠障害、不眠という言葉が多く語られるようになりましたが、それに次いで良く聞かれるようになった言葉が、「昼夜逆転」と前節で紹介した「眠れない、朝起きれない」という言葉です。

「昼夜逆転」というのは、文字通り昼と夜が反対で、昼間は寝て夜活動するというパターンの生活です。「朝起きれない」というのは、夜なかなか寝付けなくて、朝起きるのが辛いということですがら、昼夜逆転の場合は、それがもっと時間的に後にシフトした生活を送っている状態です。

ただ、昼夜逆転の方の場合、その生活に苦しんで何とかしたいともがいている方と、その生活を受け入れている方の両方の場合があることが、他のケースとの大きな違いでしょうか。インターネットで昼夜逆転というキーワードで検索して各サイトをサラリと眺めていくと、そのような違いがあることがなんとなく感じられることと思います。

朝起きれない、昼夜逆転の方の対処法

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「昼夜逆転」は、症状的には「眠れない、朝起きれない」場合の、症状が重度の状態であるという理解ができ、高照度照明を使った光療法を適用することは可能ですが、実際には難しい面があります。

具体的には、昼夜逆転している方に、「夕方起きてきて、高照度光をあびても良いのですか?」という質問をされると正直困ります。光療法では、起床時に高照度光を浴びて体内時計をリセットしたり、昼夜のメリハリを付けるために所定時間の光を浴びますので、これから夜になるときに、高照度光を浴びるのはどうかという疑問は誰でも自然に思いつきます。

実際、高照度光は脳に作用して自立神経系などに影響を与え、深部体温を上げるなど、様々な身体の内部活動に影響しますので、夕方から身体にスイッチを入れて元気モードにすることは、健康上良いことではありません。したがって、昼夜逆転現象を直すためには、高照度光を浴びる前段階としての準備が必要となります。

私がサポートしてきた昼夜逆転現象の患者さんの経験では、このような場合は、3通りのやり方がが考えられます。いずれの場合も、高照度照明を使った光療法を出来るだけ効果的に適用できることを考慮して行います。

  • どこかの時点で、なんとか「昼夜逆転」から「眠れない、朝起きれない」程度の状態まで時間を前に戻してもらって、高照度光を午前中に浴びる機会を捻出してもらいます。そして、上手く午前中に光を浴びる機会を得たら、少しずつ時間を前にずらして、本来の起床時間まで戻していきます。このようなケースは、比較的軽い昼夜逆転現象の方に有効です。

  • 2番目はその逆で、断眠療法を使用します。
    人間の身体は、前に時間をずらせるよりも、後にずらせる方が簡単にできています。昼夜逆転の方は、夕方起きたら朝方寝るわけですが、そのまま寝ないで一昼夜以上起きていてもらい、たとえば30時間近く起きていて、夜の8時から9時頃に寝るわけです。そうすると、翌日は朝の時間帯に目が覚めますので、そこで光療法を開始するきっかけを作るというわけです。

    これは、最初の光を朝浴びるきっかけを作るために行いますので、毎日断眠療法を行うというわけではありません。

  • 3つめのやり方は、睡眠薬を使用します。
    まず、睡眠薬を使って、昼夜逆転の状態から通常の時間帯に寝起きする状態を作ります。そして、それに併せて光療法を重ねて適用します。光療法の強みは、睡眠薬や抗うつ剤などと併用出来る点にあります。

    概日リズム睡眠障害の方に対して、光療法は通常1,2週間で効果が現れますので、夜自然に眠い感じが得られて生体リズムが回復してきたら、それに併せて睡眠薬を減らしていくというやり方です。そして、最後は光療法だけで生体リズムを元に戻して定着させていきます。

    睡眠薬というと、怖いというイメージを持っていられる方がおられるかも知れませんが、最近の睡眠薬は安全ですので心配ご無用です。睡眠薬を飲むことに抵抗を感じる必要はありません。但し、飲む以上、その間に生活改善、この場合は光療法による改善をしないと意味がありません。短時間用、中時間用、長時間用と様々な種類があり、自分の症状を説明して、メンタルクリニックや心療内科で処方してもらってください。1,2週間分もあれば十分です。

    注意点: ドリエルで有名になった市販の睡眠改善薬は使用しないでください。これらは目的が異なる薬で、2,3日の不眠用です。必ず、メンタルクリニックや心療内科で主旨を説明して処方してもらってください。

昼夜逆転の方の対処法

詳細情報:
概日リズム睡眠障害
概日リズム睡眠障害の改善例
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