良い睡眠は「起床」から
睡眠障害や不眠は、様々な原因が考えられるので、一通りの方法では解決しないのが一般的です。ただ、人間の睡眠メカニズムから考えると、良い睡眠というのは、起床から始まることが確認されています。
不眠に悩む人は、少しでも眠ろうと早くから床に入ろうとする傾向がありますが、寝付きが悪い人にとってはこれはこれはかえって逆効果で、いつまでたっても眠ることができずに布団の中で不快な気持ちで過ごすことになります。
実は、寝入る時間よりも「定時に起きる」ことが重要なのです。
人間は、起床後に太陽の光を浴びると体内時計のリズムがリセットされ、その約15~16時間後に眠気が現れます。これは、睡眠ホルモンと言われるメラトニンの分泌リズムによるもので、起きた時点で寝つく時間はほぼ決まってしまうのです。
したがって、睡眠障害や不眠で悩む方は、起床時間をコントロールすることが最も重要となります。寝入る時間を早めることではありません。
ただ、現代人は、ストレスや疲労により、起きるのが最も苦手というのは事実です。もともと、健康的な生活を行っていれば、起床も容易なのですが、事はそんなに簡単ではありません。
最終的には、個人の自覚次第ということになりますが、「定時に起きる」ことに影響がでてしまうような昼間の活動や猛烈な仕事は慎むしかありません。人間の睡眠メカニズムや生体リズムに逆らって生活しようとしても、破綻するのは明白です。このことに早く気付けば、少しでも良い人生を送ることができるでしょう。