NHKスペシャル「うつ病治療の常識が変わる」のインパクト!

光療法推進委員会

NHKスペシャル「うつ病治療の常識が変わる」のインパクト!

うつ病患者、自殺者が増加しつつある中、NHKスペシャル「うつ病治療 常識が変わる」(2009年2月22日)が放送され、インターネット上で大きな反響が起きています。

インターネットで「うつ病治療 常識が変わる」と入力して検索すると、無数のブログがこの放送に反応して情報を発信しており、様々な意見が述べられています。光療法もうつ病治療法の一つなので、大変興味深く見させていただきました。

番組では、うつ病治療に関連する問題点を様々な側面から顕在化させています。個々の問題点に付いては、様々な意見やその報道内容の是非を問う声も見かけましたが、これから先、うつ病治療がどうあるべきかを考える契機としては、素晴らしい内容であったと思います。

うつ病治療には様々な問題点がある

うつ病患者は100万人を超えました。自殺者は毎年3万人以上のまま現象する気配がなく、自殺の原因の第一位はうつ病です。

うつ病治療の原則は、「早期に専門医にかかる」、「十分な休息を」というものであり、その治療は抗うつ薬中心に行われています。抗うつ薬は、以前は副作用が強いものが多くありましたが、SSRIやSNRIという新しい薬が開発されて安全性が高まったため、従来よりも安心して服用できるようになっています。

ところが現状を見ると、薬が進歩してきたにもかかわらず、うつ病患者は増え続け、自殺者は減りません。その結果、現在のうつ病治療対策には問題点があると認めざるを得ない状況です。

この番組では、単に治療方法に止まらず、うつ病の最近の動向、治療環境、取り組み方、イギリスの成功例など、様々な角度から焦点を当てています。

NHKスペシャル「うつ病治療の常識が変わる」の要点

  • うつ病が多様化、難治化、長期化している。それに伴い、うつ病の診断と治療も従来になく難しくなってきた。

  • メンタル・クリニックは専門性がなくても開業できる。その上、開業費用が他の診療科にくらべてかからないため、乱立されている傾向がある。結果的に、技量が十分でない医師が増え、過剰に抗うつ薬の処方されるなどの問題が出てきている。

  • 受診する際には、良い医師を選択することが必要になってきた。

  • うつ病の新しい診断法として、脳血流を画像撮影によって調べることで客観的な画像診断が出来る方法が紹介された。また、新しい抗うつ薬以外の治療法として磁気刺激療法が紹介された。

  • イギリスでは2年ほど前から、認知行動療法を柱として、抗うつ薬の使用を最小限に抑え、再発率を低く抑えて成果を上げている。無料でカウンセリングを受けられる。

イギリスのうつ病対策には驚きの声が多い

インターネット上では、実に様々な意見が述べられています。その中で、イギリスの成功例には多くの方がブログ上で反応しています。筆者も同様に共感を覚えました。

イギリスのうつ病治療対策は、認知行動療法によるカウンセリングをうつ病治療の柱として、抗うつ薬の使用を最小限に抑え、実際に再発率を低く抑えて成果を上げています。この実際に効果を上げている事実に着目する必要があります。

うつ病は元々心の病なので、それを薬で治すというスタンスから、心理療法で治そうとする方向に軸足を変えた点が大きなポイントです。薬による対症療法から、原因を取り除こうとする心理療法の違いでしょうか。

それに伴い、そのカウンセリングを無料で受けられるようにしたイギリスの思い切った国策には驚くばかりです。日本では、カウンセリングが未だ保険適用外であり、心理療法を受けようと思っても費用がかさんで受けられない人がほとんどであるのが実態で、この大きな差には驚くばかりでした。

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