長期入院で体調(生体リズム)が崩れ気味の方

光療法推進委員会

長期入院で体調(生体リズム)が崩れ気味の方

ブライトライト

長期にわたる入院というのは、人間にとって、生体リズムの点では非常に厳しい環境といえます。生活活動範囲が著しく限られ、会う人間が固定化して会話も限られ、体験する事柄も限られれ、要は社会的に極端に制限されてしまうからです。

さらに、仕事をしているわけでもないので、頭や身体を使った活動が自然に少なくなり、生体リズムの観点からみると、極めて良くない環境のように思えます。病院という病気を治す場でありながら、長期に入院していると、実は身体のリズムを崩しやすい良くない環境という、実に皮肉な現状があるのです。

このように、長期入院すると運動量が少なくなり、社会的活動とも疎遠になるので、昼と夜のメリハリが小さくなります。その結果、入院後に生体リズムを崩して夜寝られなくなる方が見られます。そして、睡眠薬を服用するようになる事例が多くなることが、2007年の日本睡眠学会で報告されていました。これは薬がもらいやすい環境であることも一因ではあるとは思いますが、長期入院のリスクの一つと考えてよいのではないでしょうか。

長期入院には高齢者が多い

加えて、長期で入院されている方は、どうしても高齢者が多くなるので、生体リズムからみると、高齢で生体リズムの活動が衰えてきたところに長期入院となると、さらにその生体リズムの衰えを加速してしまう危惧もあります。

あるメンタルクリニックの先生の話では、総合病院の勤務医時代にすが、長期に入院されている方の多くに睡眠障害やうつ病の傾向が強くなることを指摘されていました。

前節で生体リズムが崩れると、①睡眠と覚醒だけではなく、②体温や血圧といった自律神経系のリズム、③身体の生理機能、ホルモン分泌、物質代謝などの副腎皮質ホルモン系までも影響があるとの説明をしましたが、この先生の体験的なお話しは、長期入院がこれらに対して悪影響を及ぼす可能性が高いことを裏付けているように思います。

幸いなことに、入院患者に対して光療法を実施した事例の文献が公開されておりますので、とても参考になります。長期入院患者ということで高齢者が多く、痴呆患者を含んでの事例です。光療法が効果を現していることが理解できます。

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入院患者の睡眠・覚醒に及ぼす光療法の影響

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